多くの商品やサービスがコモディティー化し、ほとんど同じ品質を持ち、機能や特徴に大きな差がなくなっていると指摘されています。他社との差別化がとても難しい状況です。そんななか、いまマーケティング業界で注目されているのが「パーセプション」です。今回は、なぜパーセプションが重要であるのか、また今の時代にマーケティングの成否の鍵を握るものはなにか、についてお話します。
良いモノを作っただけでは、売れない時代
私たちが自信を持って提供するサービスでも、多様な消費者の課題やニーズに対応することは難しい現実があります。それゆえ、自社のサービスに対して消費者が興味を持ち、自分自身の必要と感じてもらうことは、とても困難なハードルです。
そこで重要なのが、パーセプション(認識)です。消費者に対して、自社のサービスがどのような課題を解決し、どのようなメリットをもたらすのかを理解してもらう必要があります。これを実現するためには、積極的なマーケティングや効果的なコミュニケーションが不可欠です。
パーセプションとは
パーセプションとは、辞書的な意味では、「認識」「知覚」と訳されますが、マーケティングの文脈で捉えるならば、世の中や消費者が、その商品やブランドに対して、頭で理解したことや心に思ったことと解釈できます。
コモディティー化した今、成否を分けるカギはなにか
ただ、そんな競争の激しい市場においても、多くの消費者から選ばれる商品やサービスがあることも事実です。成否を分けるカギは一体何か。
成功する企業は、自社のサービスの芯の部分を変えずに、見せ方を巧妙に変えることができる「パーセプションチェンジ(perception change)」を実践しています。つまり、顧客の感じ方や認識を意図的に変えることで、競合他社との差別化を果たし、市場での存在感を高めるのです。
パーセプションチェンジによって、製品そのものは変えない、あるいは機能そのものは変えないまま、ただ認識を変えることで、新しい顧客に訴求できたり、新しいニーズを生むことができたりします。「確かにそういった課題があるよね、そういった基準で選んだ方が良いよね」のような課題に対する気づきも与えられるのです。
まとめ
今回は、パーセプションに注目する必要性について、整理しました。今、マーケティング業界で注目されている「パーセプション」が、今後のマーケティングや広報において、大きな指針になっていくと思います。
次回からは、パーセプションチェンジを実際どう行えばよいのかについてお話します。